今思えば、交通事故だった

小学校低学年の時です。
田舎育ちの私は、当時仲の良かった友達と、乗れるようになって間もない自転車で車通りの少ない直線道路の脇を走っていました。
友達は、既にかなり自転車に慣れているようで、ハンドルの握り方を変えてふざけて乗っていました。私にもやってみるよう強く勧めるので、内気な私は危ないから嫌だと強く言えず、友達がやっているように、両手をハンドルの中心に近い所で持ち直しました。
すると、やはり上手く運転が出来ず、自転車はぐにゃりと右に曲がり、私は車道に飛び出してしまいました。
そこに一台の乗用車が走ってきて、私はぶつかるすんでのところで乗用車の前を横切り、そのまま用水路に頭から突っ込みました。
その時はとにかく、身体のどこがかは分からないけど痛くて、怖くて、大泣きしました。

 

通りかかった例の乗用車には年配のお爺さんが乗っていて、私の家が近かったので、どう連れて行ってもらったのかは覚えていませんが、その方が家まで送って行ってくれました。
玄関でわんわん泣きながら、親に見てもらうと、どうやら用水路に正面から激突し、前歯を折って口が血だらけになっていたようです。
幸い乳歯だったので、その後歯医者さんで診てもらい、しばらくして無事に新しい歯が生えました。もう少し成長した後で、歯が生え変わった時に同じ目に遭っていたらと思うとぞっとします。
他はあまり記憶がないので、すり傷程度で済んだのだと思います。

 

接触寸前だった乗用車のお爺さんは、今となってはほとんど覚えていませんが、あわよくば加害者になるところでしたし、むしろ混乱状態の私を送り届けてくれた親切な方だったので、不幸中の幸いでした。

 

一緒にいた友達が事故の直後どうしたのかは覚えていませんが、私が車で自宅に送られた時はなす術もなく、自分の家に帰ったのだと思います。ですが、友達が誤った乗り方でそそのかさなければ、起こり得なかった事故です。
私も友達も、事故の重大さをきちんと理解するには幼い年齢で、私自身が重体になったり、大けがをしなかったこともあり、その後もしばらく友達として付き合っていました。ですが、私の祖母はやはり一歩間違えば死亡事故にもなりかねかった出来事だったので、以後その友達には決して親しくしようとしませんでした。

 

私も、もう忘れかけているような記憶ですが、今思えば立派な交通事故だったと思います。もう当時の友達とは疎遠になりましたが、これから自分の子供が自転車に乗るようになったら、絶対に危ない乗り方をしないよう、この話をしてあげようと思います。