交通事故紛争処理センターへの相談と和解あっせん

モータリゼーションが発達した現代では、交通事故というのは誰にでも起こりうる悲劇となっていますが、自賠責保険や政府保障事業から被害者に対して最低限度の保険金が支払われることになるなど、被害者保護ための一定の公的な枠組みが整備されているところです。

 

しかし、交通事故の損害賠償の算定などについては、それなりの法律上の知識をともなうことから、一般の人が相手との示談をめぐるトラブルに巻き込まれた場合には、和解までスムーズに進めることができなかったり、不当に低い賠償額で妥結してしまったりということがあります。

 

こうしたことを避けるには、弁護士を立てて裁判で争うというのが単純明快で確実な方法ですが、着手金や報酬金といった多くの費用がかかるほか、判決を得るまでの期間も長期にわたるのが普通です。
そこで、公益財団法人として全国組織となっている交通事故紛争処理センターのような公平中立な機関に対して、まずは相談をしてみて、そこから相手との和解の道を探るといった方法も用意されています。
交通事故紛争処理センターは、自動車事故に関する損害賠償のトラブル解決を後押しするためにつくられた組織で、全国に10か所ほどの拠点をもっており、申し込みがあれば無料で相談に応じているほか、相手との和解のあっせんも取り扱っています。

 

交通事故紛争処理センターでは、裁判では費用や時間の面で被害者の負担が大きくなるということにかんがみ、損害賠償問題にくわしい弁護士が間に入って和解のあっせんを行いますので、初回の相談後、物損事故であればおおむね2回、人身事故であればおおむね3回から5回ほどのあっせんの機会があれば、ほとんどのケースで和解に至っています。

 

もしもあっせんが不調になった場合、交通事故紛争処理センターには、別に医師や弁護士、その他の専門家からなる審査会が設けられていますので、その審査会の裁定を得るという道も開かれており、裁定があった場合は、交通事故の損害賠償を保険金として支払うことになる民間の損害保険会社なども、その内容を尊重しなければならないことになっています。